Sammy Vomacka サミィ・ボマッカ / Lvie! 6 String + 12 String Acco

Hi-Fi-Record2009-05-15

 ソロ・アコギのトレンドには、いくつかの系譜がある。そのひとつは、小粋なジャズ・ソングを巧みにカバーするジョン・ミラー型のもの。またジョン・フェイヒィ以降、レオ・コッキなどによって親しみやすい形で受け継がれたエクスペリメンタルな音響系のもの。そしてラグタイム・ギター。素朴なカントリー・ブルースには、絶えず人気がある。


 これらの要素がすんなりと同居しているのが、サミィ・ボマッカの演奏だ。興味の視野が広いにも、アメリカを遠く眺めるドイツの音楽家だからだろうか。それらを、こけおどしのないテクニックと、さりげなく暖かい人柄がまとめている。


 あえて言うならエコロジカルな感じ、あるいはニューエイジな感じは彼のギターには伺えないのだが、それもそのはず、そうした音楽は80年代もだいぶ過ぎてからのトレンド。


 なかでも最も自由にフレーズを歌わせているのが「ミスティ」だろう。試聴の45秒と言う時間では、この微妙なタイミングの取り方は表現しにくい。収まらない。そこが魅力なのだということが、サンプル音源を制作していると、とてもよくわかる。(大江田 信)


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