Kai Winding カイ・ウィンディング / Dirty Dog

Hi-Fi-Record2009-06-30

The Cool School 28 ドッグス その3


レコード屋の名犬を2匹紹介してきた。


犬とレコードのかかわり合いを考えると
やはりRCAビクターのトレードマークとして有名な
ニッパー犬ということになるのだろう。


ニッパー犬というより
犬の名前が「ニッパー」なのだけど。


彼が耳を傾けているのは
亡くなった主人の声が吹き込まれたレコードで
具体的に言うと
1895年にあった事実をもとにしていて、
ウィキペディアではその写真も見ることが出来る。


蓄音機は
鑞管式のものになっていた。


西海岸のレコード屋で最近手に入れて
うれしくてしょっちゅう着ているTシャツは
ニッパー犬の最新型のパロディになっている。


プレーヤーはNumark社のポータブルになっていて
スピーカーの代わりに
ワイヤレスのヘッドホンで音楽を聴く。
そして聴いているのは
猫と鳥だ。


彼らが聴いているのは
ご主人の声、
じゃなくて、
何なんだろう?


デザインはかわいらしくて大好きなTシャツなんだけど、
音楽というか
スピーカーから流れて来る音の主と
それが生み出された場所や背景に対する忠誠な気持ち、
それが失われつつある現代を
このデザインはある意味で象徴してるんだなとも思う。


世の中は
猫化してる。


なんて、
それはいじわるな意見です。


日本でも人気の切り絵作家
ニッキー・マクルーアのカレンダーを
彼女から直接仕入れていたり、
古いブルースを女の子の店員がさりげなくかけていたり、
この店の発信する今っぽさは
嫌いじゃない。


今日は犬の出てこない
犬のお話でした。(この項つづく)


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汚れた犬、
そのタイトル通りに
ちょっと毛並みの手入れのよろしくない犬が鎮座している。


「Dirty dog」は
「いやなやつ」というスラングでもある。


キッド・クレオールのアルバムで
思い切り「You're a dirty dog!」と
言われてる曲があることを思い出した。


この犬は
汚れてるかもしれないけど、
座ってる姿勢がいいから
きっとお買い得(お飼い得)ですよ!(松永良平


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