Ian Gomm イアン・ゴム / Gomm With The Wind
とあるアメリカ人の友人と雑談していた時のこと、「アメリカのお笑いのテレビ番組を見ていて、面白い?」と聴かれた。
「いやぁ、英語がわからないからなあ、なかなか笑うことが出来ないんだ」と答えたら、彼はたぶん気を使ってくれたのだろう、「それはね、番組がつまらないんだよ」と言ってくれた。
この言葉が耳に残っている。
ジョークを笑うことが出来たら、その国の文化をより深く知ったことになると言われる。
落語の寿限無を聴きながら、心から笑っている外国人の人がいたとしたら、たぶん僕はものすごく尊敬することだろう。
このイアン・ゴムのアルバム・タイトルを、長い間、ただ「ふ〜ん、Gomm With The Windかぁ」となんとなく眺めていた。風と一緒のゴム君かぁくらいの感じ。タイトルよりも、むしろイアン・ゴムが手に持っている光る石のようなものに目がいっていた。
で、あるときふと気づいたのが、このタイトルは「風と共に去りぬ」の原題、「Gone With The Wind」をもじったものだ、ということだった。タイトルに、ヒネリがあった。
ほんの少しだけ、くすっと笑った。(大江田 信)
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