The Four Freshmen / Live At Butler University

Hi-Fi-Record2009-08-31

The Cool School 52 猫のファブ・フォー


期待して出かけた大都市の買付が
空振りに終ったときのショックは大きい。


予定よりもはるかに早い時間で
店回りが終了してしまい、
しばし途方に暮れる。


そんなとき、
前に知り合ったディーラーからもらった
地方都市の名店リストの存在を思い出した。
ひょっとしたら、この街の近所に
めぼしい店があるかもしれない。


地図を開いて照らし合わせてみる。
すると、車で一時間弱のところに一軒、
なかなかよさげな店があるのを発見した。


ラッキー!


いそいそと駆けつけたその街は
ちょっとした軽井沢気分な商店街を持つ
瀟洒なカレッジ・タウンだった。


目的の店は、その一画の2階にあった。


「あら、いらっしゃい〜」


ぼくらを目線で迎えてくれたのは人間ではなかった。
レコード棚の向こうにでーんと寝そべっているのは
大きな猫。
柄は白黒のぶち。


その近くには
眠たげにあくびをするトラ猫が。
さらに窓際には黒猫もいる。


「あ、あそこにもいますよ!」


つつつつつっと向こうに歩いていくぶち猫の後ろ姿が見えた。
レコード屋の猫は
決して珍しくないけれど
4匹もいるのは初めてだ。


店内は外から見えた窓の印象よりもずっと広い。
レコードの品揃えもセンスがいいし、
値段も手頃。
この店はいい。


地元学生たちの情報交換の場所にもなっているらしく、
お客さんがひっきりなしにやって来て
わいわいがやがやとにぎわっている。


猫たちはその盛り上がりを
クールに見やっているというところ。


奥の部屋にはバーゲンLPもあると教わったので
仕上げにそこを掘ってみることにした。


しかし
バーゲン部屋に入ってビックリ。
この部屋、すごく猫臭い!


いや、正確に言うと
猫のトイレ臭い、であった。
バーゲン部屋が猫のトイレと同室になっていたのだ。
ただでさえ長毛種の猫毛アレルギーである大江田さんは
苦悶しながらバーゲンLPを見続けていた。


さて会計が終わり
「また来るね」とあいさつをすると
スタッフの女の子がお店のネームが入った特製ステッカーをくれた。


そのデザインを見て思わず笑ってしまった。


何故ならそこには
「ウィズ・ザ・ビートルズ」のジャケのパロディで
猫の顔が4つ並んでいたから。


どうやらこの店では
ファブ・フォーの称号は
ビートルズではなく彼らに授けられているらしい。(この項おわり)


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フォー・フレッシュメン。


ハイファイのファブ・フォーといえば
このひとたちのことかもしれない。


夏の終わりに
彼らのオープン・ハーモニーが心地良くて
ここのところ連日サイトにアップ中。


このライヴ盤には
奇しくも「サマー・ハズ・ゴーン」という
クールなバラードが入っていた。


試聴サンプルにあげておけばよかったな。(松永良平


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