Vince Guaraldi ヴィンス・ガラルディ / Eclectic
サンフランシスコ話の続きを。
ヘイト・アシュベリーやゴールデン・ゲイト・パークなどがあるサンフランシスコ市中心部から湾を隔て、対岸にあるのがバークレー。
全米で最も進歩的で反体制的な都市と言われており、街の中心部には進歩的な校風で知られるカリフォルニア大学バークレー校を擁している。ちなみにバークレーは、2002年10月に対イラク戦争反対修正案を支持する決議を市議会の全会一致で可決し、連邦議会でただ一人、大統領に武力による報復を実施する権限を与える決定に反対した議員バーバラ・リーを選出した街だ。
散歩していても、とてもいい雰囲気がいい。
大学の廻りには、古本屋やカジュアルなレストラン、CDショップなどが立ち並び、一本裏道に入ると緑の木々のなかにアパートが並んでいる。
1970年、それまで会社があったオークランドの倉庫から、テンス・アベニューとパーカー・ストリートの交差点近くのスタジオを併設したビルに、ファンタジー・レコードが移転した。
この栄転を可能としたのがクリーデンス・クリアー・ウォーター・リバイバルのアルバム「コスモス・ファクトリー」だった。コスモス・ファクトリーは彼らがリハーサルを繰り返していたビルの名前で、サンフランシスコ湾のほど近く、同じくバークレー市内にある。
クリーデンス・クリアー・ウォーター・リバイバルの登場まで、ファンタジー・レコードの稼ぎ頭の筆頭は、ヴィンス・ガラルディ「Cast Your Fate To The Wind」だったそうだ。
ヴィンス・ガラルディは、スヌーピー関連の音楽で知られるジャズ・ピアニスト。
それとなく手に取ってはアルバムを聴く、そんなこれまでの付き合いだが、それだけでも十分に彼の変人ぶりが伝わって来る気がする。
こちらはファンタジーの後に所属したワーナーからの作品。1969年、41歳の彼の顔が映る。
厭世と虚無が魅力的に響く、収録の「Reason To Believe」が秀逸だ。(大江田信)
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