Frank D’rone フランク・ドローン / In Person

Hi-Fi-Record2009-10-07

 州と州をまたがりながら走る高速道路のことを、インター・ステイト・ハイウェイという。ミステリーなどで、州間道路などと日本語に約されることもある。州間なんていかにも無理な訳語で、ちょっとピンと来ない。


 このインター・ステイト・ハイウェイの名前は、1926年にその種の委員会の会議で決まったのだそうだ。と言ってもそれぞれに固有名詞を振るのではなくて、番号が付けられた。そこには一定の決りがあって、基幹道路は、一桁の数字、例えば南北に走る場合はインター・ステイト・ハイウェイ5などとなり、東西に走る道路はインター・ステイト・ハイウェイ2などになる。これに準ずる規模の道には、二桁、そして三桁の数字が当てられた。
 インター・ステイト・ハイウェイ5のことは、アメリカでは略して通称I5と表記され、アイ・ファイヴと呼ばれる。
 シカゴから西海岸ロサンジェルスに向かうルート、ハイウェイ66の場合は、ルート66。こちらも通称だろう。いまではロスから北に向かうサーフルート101と並んで、歌詞に歌い込まれた道として、音楽ファンには最も有名な名前になった。


 66号線周辺の観光案内を盛り込みながら、西部の街並に向かう旅の高揚を歌う「ルート66」。この歌には、数々のアーチストによるヴァージョンがある。
 軽やかにスイングするフランク・ドローンのヴォーカルが描き出す66号線の風景。かつてスタインベックによって「アメリカの背骨」と呼ばれた道筋が、いともスムースに飛ぶように走ることが出来るかに聞こえる。いささかおぼっちゃんチックな雰囲気が、楽しい。(大江田信)


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