Tau Moe Family with Bob Brozman / Ho’omana’o I Na Mele O Ka Wa

Hi-Fi-Record2009-10-09

 ボブ・ブロッズマンについて、とあるレコード・ショップで聞いた話を。


 その店の店舗部分は、四つ角にあるビルの一階部分に用意されている。店の奥にあるトイレを借りた際に、ちらっと店舗のバックスペース部分を覗き込んでみたら、ここに大量のSPがストックしてあった。
 確かに店頭にもSPが並べてある。「SPをいっぱいストックしてあるんですねえ」と店員氏に話しかけると、地下の倉庫には、これとは比較にならないほど膨大なSPがあるという。
 そしてこんな風に話してくれた。


 この地下の倉庫に毎週のように通ってきていたミュージシャンがりるんだよ。ボブ・ブロッズマンだ。彼はね、そう、週に一回くらいずつ早朝から来ては、夕方までSPを掘っていたなあ。それも古いハワイアンを聞いていた。もちろん古いジャズも聞いていたけどね。彼の音楽のバックグラウンドの何割かは、うちの店でSPを聞いたことで学んだんじゃないかな。一回に1枚とか、まあ、そんな感じでSPを買っていたよ。


 店員氏は、とにかく音楽に詳しいことで知られる人で、街の音楽ファンから一目も二目も置かれている。ボブは彼と話すちょっとした会話からも、ずいぶんと学ぶところがあったのではないか、とも思う。


 そしてタウ・モーエイ・ファミリーとこんなアルバムも作っている。
 タウとローズのモーエイ・ファミリーは、戦前から世界を旅してハワイアンを演奏していた音楽一家だ。
 ボブ・ブロッズマンは、彼らのど真ん中に座ってジャケット写真に納まっている。
 なんだかそのあたり、いかにもボブ・ブロッズマンらしいなあという気もしたりして。(大江田 信)


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