Barbra Streisand バーブラ・ストライザンド / Butterfly

Hi-Fi-Record2009-10-21

 「女性ヴォーカルの写真が結構更新できました」と10月19日付けのブログで藤瀬クンが書いている。
 ジャケット写真は、ハイファイの場合、すべて手作業で撮影していて、これがまた結構に面倒な仕事だ。上手く撮れたと思っていたらそうでもなかったり、
撮ったあとにどのアーチストの写真かわからなくなってしまったり、そんなことは頻繁に起きる。地味な仕事なのだが、こうして奇麗なジャケット写真が並ぶと、それとなく眺めているだけでも楽しい。


 女性ヴォーカルの場合は、主人公のアーチストの写真が美しく並んでいるのが通例。お客様は、男性なのだし、それが当たり前といえば当たり前なのかもしれない。そう思うと、かえって自身のポートレイトを使っていないジャケットに目が止まる。
 バーブラ・ストライザンドのアルバムだ。
 とくかく発表したアルバムの数が多い人で、必ずしもジャケットに自身のポートレイトを使わない訳ではないが、今日のハイファイのホームページでは、偶然のようにしてイラストのもの、そして少女時代の写真を用いたものが並んでいる。


 デビュー直後から、大変な人気を得ていた彼女。プロモーションを目して自身の写真をジャケットに用いるには、存在が大きすぎたのかもしれないが、それにしてもこのジャケットったら。
 Butterflyって、蝶のことでしょう?
 それなのに、これってバター(butter)の上に、ハエ(fly)がとまっている写真? えっ? タイトルの「Butterfly」を解題したってこと?


 彼女のアルバムの中でも、最もロックよりの作品という。この時期の作品は、もとよりポピュラー音楽のど真ん中を歩んできた彼女が、ロックへの路線変更を試行錯誤していた時期のものでもあるという。


 松永クン執筆のコメントにある「メジャーすぎる人には、ときどきこういう奇跡が起こります」との一節に、確かに音楽もそう、加えてジャケット写真もその通りとうなずいた次第。(大江田信)


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