高見山大五郎 / スーパー・ジェシー

Hi-Fi-Record2009-10-23

The Cool School 77 模様替え


模様替えをしたというその店に入ったとき、
すぐには何が変わったのかわからなかった。


前に来たときと
同じようにレコードは並んでいる。
しかし、
何かが違う。


まずはこの店の売りである
豊富な1ドル・レコード・コーナーを見る。
ジャンルを超えてさまざまなレコードが放り込まれたその列は
とんでもなく充実しているのだ。
もちろん盤に傷があったり
安い理由はさまざまなのだが、
そこに眠る宝物をどう掘り出すかがこちらの腕の見せどころ。


そして
この店では
その次に3ドル均一コーナーもある。
これまたおもしろい。


ところが
今回訪れてみると
その先に5ドル均一が出来ていた。


さらに
8ドル、10ドル……と
値段で区切りながらレコードが混然と並んでいる。


ん? 何か変だぞ。
ようやく気がついた。


この店、
ジャンル分けを廃止して
あらゆるレコードを値段だけで区分けしてしまったのだ!
その括りの中で
どうやらアルファベット順にレコードが並んでいる。


これはとてもユニークだ。
同じアーティストなのに
高いところと低いところにいるのもいるし、
その理由をこちらもついつい推察する楽しみを覚えてしまう。


この日、
ぼくらは前回までの何倍も
レコード・ハンティングを楽しんだ。


これってつまり、
安いところにも
高いところにも
何があるかわからないという
最高のスリルになっているからなのだ。


ぼくらは
懇意のディーラーのところに
頼んでおいたレコードを引き取りに行くという買付をしない。
この情報化時代に
お店を一軒一軒ヒットするぼくたちのやり方は
ともすればややオールドファッションですらある。


そのやり方がまだ有効であることを、
というか
そのやり方をまだ世界も楽しみたいと思っていることを
力強く背中を叩くように応援してもらった気がした。
レコード買付けにぼくらが求める醍醐味は
まだ死んでいない。(この項おわり)


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The Cool Schoolも77回を迎えましたので
景気のいいレコードに祝ってもらいたく思います。


巡業列車、どすこい!
ジェシーでファンク! 最高!(松永良平


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