Hi-Lo’s, The ハイ・ローズ / All Over The Place

Hi-Fi-Record2009-11-04

 今日、水曜日からニューヨークに向けて旅立つという方と、電話で話した。
 気候はどうなのだろうか?という質問に、テレビの野球中継を見て、観客の着ている服装をチェックするのがいいですよと、お答えした。買い付けの前に、いつも自分自身がしている方法をお勧めしたのだ。


 野球場と言うホットな場所での洋服だし、アメリカ人は薄着なのでとも付け加えたのだが、ニューヨークのヤンキー・スタジアムから中継される映像を見る限りでは、ニューヨークはまだ冬という感じはしない。まだ秋ですねえと、ボクの推察を付け加えた。

 
 買付前に野球中継を見て服装を考える、と言う方法は、なかなかに有効だ。寒風吹きすさぶ中にじっと座っている、だからちょっと厚着なのではないか、街着としてはもう少し薄着ででもいいのではないかなどと想像する。春先にしても、夏に向かう時期にしても、テレビに映る観客の服装を見て、どれほどの気候なのかを考える。そして、スーツケースにつめる洋服を決める。


 それにしても、11月のこの時期にワールドシリーズだ。もしやミネソタのツインズ(今年も良いところまで行ったのに、惜しかった!)や、コロラドロッキーズが勝ち残ったとしたら、まさか本当にミネアポリスデンバーで試合が行われるのだろうか。彼の地では夜は凍てつくような寒さなのではないだろうかなどと、あらぬ心配をしてしまうのだが。


 Autumn In New York。ニューヨークの秋。
 この時期のニューヨークを思い描く時に、必ずといっていいほど、頭に浮かぶ一曲だ。
 主人公の"私"は、田舎での休暇を終えてマンハッタンのホテルに移り、27階のフロアーから、眼下に嫌いだけど好きな街、ニューヨークを見下ろそうとしている。
 この"嫌いだけど好きな街"という箇所には、hateとadoreという言葉が使われている。hateというと憎むといった日本語の表現が当てられがちだが、アメリカで耳にするのは、いやだなといった程度のそれほどには強くない表現のようだ。


 もしかすると主人公は、ニューヨーク生まれじゃないのかなと思いながら、ぼくは歌の続きを聞く。
 ハイローズのコーラスは、ニューヨークという大都会の洒脱を、軽妙に伝えていく。(大江田信)


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