Quincy Jones クインシー・ジョーンズ / Mellow Madness
かつて、リリースされた時期に繰り返し聞いていた。
ぼくにとっては、ジャズ・ハーモニカの名手トゥーツ・シールマンスの名前を教えてくれたアルバムでもある。
このアルバムをきっかけにトゥーツのアルバムを集め始め、収録の「BLUESETTE」がトゥーツの自作であり十八番であることを知って、いまひとつアルバムに入り込めたように思った。
トゥーツをアルバムに迎え、そして彼の十八番のナンバーを演奏してもらっているという事実に、クインシーの先輩ミュージシャンに対する敬意を感じる気がしたからだ。
曲目を記したリストには、一曲ごとにフィーチャーされたアーチストの名前がクレジットされている。
それぞれにフィーチャーされるボーカリストやドラマー、フルート奏者の名前が記される。多くのミュージシャンがアルバムに迎えられ、演奏をしている。
クインシー・ジョーンズのプロデュースを得ることによって、より大きなステージを経験することとなったアーチストは、少なく無い。彼、または彼女は、人生のチャンスを得る。
ツゥーツ・シールマンスも、そうしてより大きなチャンスを得たミュージシャンだと思う。来日し、日本のCMに採用され、テレビCMの映像にも登場した。
名盤というのは当たらないかもしれないけれども、とても良いアルバムだと思う。
それというのも、クインシー・ジョーンズによるフィーチャリング・アーチストの迎え方がいいからだろう。
クインシーの愛ある態度。それがこのアルバムを気持ち良く聞きことができる理由ではないかと思う。(大江田信)
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