Leontyne Price And Andre Previn / Right As The Rain

Hi-Fi-Record2010-01-29

 昨年秋からN響の首席客演指揮者に就任したことを機に、NHKアンドレ・プレヴィンのロング・インタービューやかつての指揮映像をまとめた番組が放送されていて、思わず見入ってしまった。
 御歳80歳にならんとするにもかかわらず、しっかりとした口調で自身の音楽観や、日本への親しみを語っていた。



 1950年代から60年代初期にかけてジャズやサウンドトラックのアルバムを多く発表していること、60年代以降はクラシック・オーケストラの常任指揮者を歴任したこと、ドリー・プレヴィンの夫君だったことがある事、女優のミア・ファーローとも結婚していことがあることなど、簡単な情報は持ち合わせていたものの、あくまで断片でしかなかった。かつてピアニストのジャック・ルーシェにインタービューした際に、立ち会っている編集者の要請でプレヴィンについて思うところを聴いたところ、自身との立場の違いを強く意識した答えが返って来て、結果としてフランス・クラシック界に於けるプレヴィンの立場の高さを知ったことがある。


 これといって強い押し出しや、くどさを売りにする訳ではなく、バランスよく目配りの利いた音楽作りをする人なのかなと言うのが、オーケストラを指揮する彼の姿を見終わっての印象だ。
 ただしジャズ・ピアニスト、アンドレ・プレヴィンとなると、また少し印象が違う。ピアニストとしてのこだわりは、実はなかなかに持ち合わせているのではないかとも感じるのだが、どうなのだろう。



 それにしても若いころのプレヴィンは、ハンサムだ。60年代のBBCの音楽番組に記録されたプレヴィンのダンディでスマートな表情と指揮ぶりに、驚いた。
 彼のハンサムぶりは、このレオンタイン・プライスの隣りに映るアルバム・カバーを見ても歴然としている。(大江田 信)


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