Ronnie Brown / Presenting / The Velvet Piano Of Ronnie Brown

Hi-Fi-Record2010-04-01

 4月に入った。なんとなく4月の歌を探してみる。


 4月1日、エイプリル・フール。ハル・デヴィッドとバート・バカラックによる「April Fool / 邦題:幸せはパリで」がちょっと見当たらなかったので、その代わりに「April Love」を。

 
 1957年のパット・ブーンによるヒット。自身が主演した映画の主題歌で1957年に米チャートのトップ・ヒットとなっている。
 初々しい恋の始まる季節、4月を描きつつ、突然の驟雨もある時期だから、その雨が恋を育てれば良いけれども、ふと滑り落としてしてしまうこともあるからねと、軽いアフォリズムにまとめられた歌詞。それにしてもパット・ブーンの歌唱の清潔感が残る。
 かつて日本のAMラジオの4月の定番曲の一つだった。



 日本の新年度は4月1日からということになっている。学校の入学も、新学年も4月1日からスタート。アメリカの学校の新年度は、ほぼ9月1日。「See You In September」と夏のヴァケーションに旅立つ彼女を駅で見送り、ボクを忘れないでと歌いかける素敵な歌もある。
 日本では4月という言葉には、新しい未来に胸をときめかせる喜びや期待が込められているようで、そのためもあるのだろう、「April Love」は新しい恋の始まりを祝す歌と同時に、そこにもう少し何かしらニュアンスを重ねて聞かれてきたように思う。


 Aprilと名づけられた歌の多くは、ときめきを運んで来る。ロニー・ブラウンのピアノの響きが描き出すエバー・グリーンな爽やかさが、ちょっとまぶしくも清々しい。(大江田信)


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