Susan Cowsill / The Next Time That I See You / I Think Of You

Hi-Fi-Record2010-04-14

 ハイファイのサイトでは、シングル盤を紹介する際にシングルのレーベルを写真に撮って、掲載している。
 で、このワーナーのレーベル。なんとなく分かるかもしないが、まっすぐ続いている並木道の光景だ。アルバムに使われることもあるので、シングル盤ファンに限らず、それとなく覚えておられる方も多いことと思う。
 この木はシュロなのだろうか。椰子の木というか、ハワイ風というか、なんだかリゾートっぽい感覚ののどかな風景とも取れる。
 なんと、この風景は、ワーナーの本社前の通りの様子。カリフォルニア州ロサンジェルス郊外、バーバンクにあるワーナー本社前の通りを、そのまま絵にしたものだ。先日、ワーナーの本社界隈を尋ねてみて、この並木道が実際に今も残っていることに、いささかびっくりした。



 「1958年3月19日ワーナー・ブラザーズ・レコードは誕生した。オフィスはロサンジェルス北部の郊外バーバンクのワーナー大通り3701番地に置いた。巨大なワーナー・スタジオに隣接していた」。
 このようにワーナーミュージック・ジャパンのサイトでは紹介されている。
 ワーナー・ブラザース本体は、映画会社。グループ会社の一員としてレコード・ビジネスの部門を創業していることもあり、周囲には様々な関連のオフィスがあったことだろう。この並木道の風景は、もしかすると創業当時の1958年頃のものなのだろうか。いささかやせ細ったとはいえ、今も椰子の木が立ち並ぶ通りには、レーベルに描かれる風景の面影が見て取れた。



 1950年代末には、ハワイがアメリカ50番目の州として加わることとなることを受け、カリフォルニア、特にロサンジェルスでは道路や家の周囲に椰子の木を植えることが流行したという。ワーナー大通りの風景も、その影響を受けているのかもしれない。
 今ではワーナーミュージック本社は、高速道路の向こう側に移転し、大きな本社ビルを構えている。しかし今も旧本社前には、レコードファンならば見慣れたWBのロゴを配した大きな表札が置かれている。思わず記念写真を撮りたくなること、間違い無いことと思う。



 カウシルズのスーザン・カウシル が、こんなシングルをリリースしているなんて、不勉強で知らなかった。とても気持ちのいいポップ・チューン。
 並木道のレーベルが使われる1977年のシングル。もはや世界各国に支社を持つに至りワールドワイドに大きく成長していたワーナーが、本社前のささやかな通りを活写した風景をレーベルに使っていることに、なんだか楽しさを感じる。(大江田信)



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