Chico Hamilton チコ・ハミルトン / South Pacific In Hi-Fi
The Cool School 154 ハイファイさん、こんにちは
ハイファイとは
オーディオ用語で
ハイ・フィデリティのこと。
レコードにも関係の深い言葉で
レコード屋の名前としてもしっくりくる。
アメリカを買付して回っていて
同じ名前の店が結構あってもいいと思うのだが
あまりお目にかからない。
ハイファイの訪問履歴をめくってみたら
これまでに買付した記録のある“ハイファイ”と名の付く店は
全部で6軒。
そのあとに続く言葉が“レコード・ストア”になっている
ばっちりの同名店舗はないけれど
言ってみれば名字がおなじってことで
それなりに親近感がある。
たとえば北の街のハイファイさん。
ハイエンドのオーディオ屋さんだった。
高級オーディオで鳴らすものなんだからと
レコードの値段もハイエンド！
だけど盤質がきれいだったのは、さすが。
東の街のハイファイさんは
住所を頼りに訪ねてみたら
とっくに閉店していたんだった。
その街から北に2時間ほど行ったところにも
別のハイファイさんがあった。
中本工事を白人にしたような
ひとの好さそうな店主が対応してくれたけど
ひとがいいだけあって
レコードはアバとかバリー・マニロウみたいなのばっかりだった。
この店も
もう閉店してしまったらしい。
残念。
中西部の大都市には
かつてハイファイと名乗る店が3軒の支店を出していた。
そのうちの一軒では
閉店間際に訪れたのに
ぼくらを地下のウェアハウスに入れてくれた。
確か「おれらもハイファイなんだよ！」と
若い店員さんと盛り上がったんだっけ。
その地下では
パンナム航空のプロモーション・レコードを見つけた。
ただし
その去り際に借りたトイレで
誰かさんが水を詰まらせてしまうという事件があって……（以下略）。
3軒のチェーンの中で、
その店だけ閉店してしまったそうだけど
まさかあのときのトイレが原因じゃないよねえ。（この項おわり）
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ハイファイというタイトルのついたレコードは
それこそ星の数ほど存在する。
ハイファイな音がする、という感想が
音と店のダブルミーニングになったら
たのしいだろうなと思うのは
たとえばこういうチコ・ハミルトンのレコードなんかで。（松永良平）
