Percy Faith パーシー・フェイス / Clair

Hi-Fi-Record2010-06-16

 アイルランド出身のシンガー・ソングライターギルバート・オサリバンが「アローン・アゲイン」に次いで放ったヒット・ソングが「クレア」。当時のプロデューサー/マネージャーのゴードン・ミルズとは家族ぐるみの親交があり、ここで歌われる「クレア」とは、彼の末娘のことだ。オサリバンのシングルでは、楽曲の最後に彼女の笑い声もフィーチーされており、ミルズ家との付き合いの親密さを物語る作品でもある。


 しかし蜜月は長くは続かない。後年になってギルバート・オサリバンとゴードン・ミルズの間には、印税の支払いなどをめぐって関係が悪化、オサリバンがミルズを相手取って訴訟を起こすに至り、二人の間には決定的な亀裂が入ってしまう。裁判には1984年にオサリバン側が勝利。この数年後にゴードン・ミルズは死去する。

 
 現在では音源の権利はギルバート・オサリバン自身の会社で管理しているため、日本のレコード会社がオサリバン側から許諾を得て、CDをリリースしている現状という。
 発売元のレコード会社がたびたび変わるのは、どうしてなのだろうと思っていたら、これが理由だった。
 

 原曲の持つ透明感を残しながら、実に大胆にアレンジが加えられているパーシー・フェイス版「クレア」。
 この時、パーシー・フェイスは、65歳。実に若々しい。(大江田 信)