Fabulous Echoes / Breakin It Up At Dukes!
収録の「Quando, Quando, Quando」について少し。
この曲、ラテンのリズムでアレンジされることがほとんど。ラテンのコンピレーションにインストルメンタルが収録されることもある。
南米出身の曲かと思うと、その実はイタリア生まれのカンツォーネ。
アルベルト・テスタ作詞、トニー・レニス作曲の作品で、1962年のイタリア、サンレモ音楽祭では4位に入賞。音楽祭では作者のトニー・レニスと、エミリオ・ペリコーリが歌い、その後にトニーのヴァージョンがヒットしている。ちなみにエミリオ・ペリコーリは、「アル・ディ・ラ」で知られる著名歌手。
後年になって、およそありとあらゆる歌手が歌っているのではないかと思うほどに、カバーの多い作品でもある。
それにしても不思議なのは、イタリアのサンレモ音楽祭では、一つの曲を二人のアーチストが歌うこと。
これは1953年から始まっているそうだ。たまたま音楽祭と和訳されているものの、直訳すれば「イタリアの歌のフェスティバル」となる同フェスは、歌謡祭に近いものらしい。
日本で一番よく知られている「Quando, Quando, Quando」は、恐らくエンゲルベルト・フンパーディングのヴァージョンだろう。ちょっとした伊達男が、お気楽に歌うと、ピッタリとはまる曲。始唱したトニーも同種のタイプの男性歌手だった。
で、ここでは香港出身のバンド、ファビュラス・エコーズがハワイのホテル・ラウンジで歌う「Quando, Quando, Quando」。このいい感じに無責任なお気楽さが、たまらない。(大江田信)
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