Denny McLain デニー・マクレイン / Denny McLain At The Organ

The Cool School 177　レコード屋と野球

その街は野球の影響を受けやすい。

球場の近くにあるレコード屋は
試合のある日だとまず近くに車を停められない。
結局高いお金を払って
駐車場に入れるしかなくなる。

なにしろ
日本で言えば
阪神タイガースくらい
ファンの熱意がすごい街なのだ。

昔
買付の時間が余ったときに
大江田さんとチケットを買って観戦したことがあるのだが、
今となっては
年間チケットは発売と同時にほぼ売り切れ。
ぼくたちのような旅行者が
ふらりと訪れて観戦するなんてことは難しくなったと聞く。

それほど盛り上がってる街の割には
レコード屋の店員には
あんまりそういう熱狂的な輩は見かけないなと思っていたが
甘かった。

いつごろだったか
ある半地下にある店で
赤い帽子を被った陽気な店員に
大江田さんが話しかけたのだ。

もちろん
彼は我が街のチームの大ファンなのだが
その入れ込みようは
ぼくたちの予想をはるかに越えていた。

ホームゲームはもちろんのこと、
大一番となれば
車で数時間かけてアウェーに駆けつけるなんて朝飯前。
必要とあらば
飛行機に乗ってまで遠くの街に向かうというのだから
まさに筋金入り。

やっぱりこういうひとは
いるものだなあ。

でも、ちょっと待って。
あなた、
この店の主人ですよね？
その間、店はどうするの？

そうなのだ。
残念ながら
この数年は
レコードにかける情熱よりも
チームを愛する気持ちの方が強いみたいで
店の品揃えはとんと変わらない。
おかげでぼくたちの収穫もあがったり。

でもこういうひとは憎めない。
何かを愛しすぎることで
ぼくたちは生きているんだから。
その気持ち、
わかりすぎるほど解るのだ。（この項おわり）

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前にも挙げたことあるみたいですが、
野球と言えばこのレコードを
思い浮かべざるを得ない。

彼の所属は
デトロイト・タイガース。
非番の日は
球場で選手紹介のオルガンとか弾いてたら
さぞやおもしろかっただろうに。（松永良平）

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