Buddy Fite バディ・ファイト / Changes

Hi-Fi-Record2010-06-25

The Cool School 178 水の話


梅雨の季節なので
水の話を。


モーテルに入って
靴を脱ぐ。


ご存じの通り
それは日本人ならではの習慣で
アメリカ人は土足で普段から生活している。


郷に入っては郷に従えのことわざを
知らないわけじゃないけれど
一日歩きっぱなしで足もいいかげん蒸れてるし
水虫にはなりたくないから
ぼくは靴を脱ぐ。


ひっ!


すると
足の裏に思いがけない湿り気。
カーペットが濡れている。


「大江田さん、
 この部屋びしょびしょですよ!」


そんな抗議めいた声をあげていたのが懐かしい。
カーペットは確かに濡れているが
それはだれかのいたずらじゃない。


日本と違って湿気の極端にないアメリカ。
夏を迎え、
また中西部など海から遠い地域での
空気の乾きは半端ではないのだ。


だからこうして
カーペットを濡らしておかないと
夜になると喉がからからになってしまうのだ。


同じような対処法として
バスルームの湯船に水を浸して
ドアを開けて寝るというやり方もある。


そんな乾きは日中も同様で
買付け中の水分補給は
実は必須。


ペットボトルの水をきらして
時差ぼけも手伝ってふらふらになり
地べたにへたりこんだなんてことも一度や二度じゃない。


でも
湿気のない国の良いところもある。
アメリカのレコードには
水に浸してしまったとか
よほどのことがない限りカビが生えにくい。


どれほど大事に保管していても
カビからは逃れられない日本のレコード事情からすれば
うらやましい限りなのだった。(この項おわり)


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水というより雨の曲ということで
バカラックの「雨に濡れても」を。


アンディ・ウィリアムスの60年代の諸作や
イーディー・ゴーメの「恋はボサノバ」のプロデュースで知られる
ロバート・マージーコロムビアを離れてから手掛けたギタリスト。


彼の弾く「雨に濡れても」は
ちょっと日本の梅雨っぽい。(松永良平


試聴はこちらから。