Werner Muller / ウェルナー・ミュラーの素晴らしき世界

Hi-Fi-Record2010-07-10

 「ウェルナー・ミュラーの素晴らしき世界」が世に出て、二週間ほど経った。
 ハイファイの通信販売でもお買い上げを頂いた。お楽しみ頂いているだろうかと心配になる。当方の不勉強で至らぬ記述があったらどうしようと、これまた心配だ。


 首をすくめながらそんなことを考えていたら、思いもかけずお褒めをいただく機会があった。プロの選曲と言っていただいた。


 本人にそんな意識が無いものだから、ちょっと驚いた。プロの選曲だなんて。
 確かにもう長い間、ラジオの選曲をしたりCDの選曲をしたりして来た。それにしても、どうしてプロという意識が無いのかを考えてみると、そういえば誰にも教わってこなかったと思いあたった。先生は、いなかった。先輩はいたけれども、先輩からああしろ、こうしろと教わった事もなかった。誰かを超えたという意識も無い。
 でもそんな甘い事は言っていられない。プロの方達の場所に交じって、こうしてボクも選曲の仕事をしている。 
 もちろんのこと、選曲は自分のためにやるのでない。聴いて下さる方が満足していただけるように音楽を配することが選曲なのだから、まずは支持をいただけなければ仕事にならない。
 思い出してみれば初めての選曲が、すでに仕事だった。ラジオの生放送だった。どうすれば魅力的な選曲になるのか、自分なりに、こうではないか、ああではないかと考えてやってきたことが、それが身に付いて来たのかもしれない。ハイファイに集ってくれる友人たちに誘われて参加したDJパーティの経験も、とても生きている。


 放送の世界には音響効果、略して音効さんと呼ばれる職種がある。NHKの仕事の現場で、素晴らしい音効さんの方と仕事をしたことがある。これについては一度、ゆっくり書きたい。


 どこかで手に取る機会があれば、ぜひ。(大江田信)

 
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