O.S.T. / Hairspray

Hi-Fi-Record2010-07-13

The Cool School 186 試聴癖


アメリカのレコード屋さんに買付に行くときに
いつもポータブル・プレーヤーを持っていくわけだが、
なかにはありがたいことに
お店にちゃんと試聴機を据え付けてある店もある。


よく書いてある注意は
どこも似たようなもので
「おひとりさま一回に5枚まで」とか
「新品を開封しないでください」とか
だいたいそんなもの。


もちろん
お店がひまそうなときは
5枚リミットの制限も自然と取り払われて
みんな気楽に試聴を続けている。


運悪く順番待ちになったとしても
そこは何となくマナーがあるという感じで
適当なところで順番を替わるようなところが身に付いているようだ。


ぼくのわるいくせなのだが
一日のスケジュールがタイトだったり
お店があまりに広くて見るべきところが多いときなど
ついつい試聴のペースが早くなってしまう。


イントロの音圧が高いというだけで
合格点を出したり
その逆でイントロが頼りないからボツにしたなんてケースも結構ある。


大江田さんは
割と慎重派で
最初がださくてもそのあとに奇跡の展開があるかもしれないじゃないかと
粘るのが好きだ。


そのあたりでも
ふたりの選ぶアイテムの個性の違いが
出ているようにも思う。


ある店でのことだった。
ヘッドホンを装着して
大きなボリュームで何枚か聴いていると
みんながぼくの方を奇妙な目で見ていた。


大江田さんが
何か注意してくれているが
よく聞こえない。


ヘッドホンをはずしてみたら
すぐにわかった。
アンプのボタンを押し間違えていて
音がスピーカーから店内にダダ漏れしていたのだ。


どうやら
ぼくのこらえ性のない試聴癖を
店中にアピールしていたみたいだった。


「こいつ聴くの早いな」という
漫画の吹き出しみたいなものが
店のあちこちに浮かんでいるのが見えた気がした。(この項おわり)


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そんなぼくの試聴癖に
ばっちりぴったりのサントラと言えばこれ。


イントロから素晴らしいオールディーズの連発。


レイチェル・スウィートがこの映画のために歌った
テーマ曲も偽オールディーズの傑作!


今じゃミュージカルで有名になったし
映画でもリメイクされたけど
やっぱりオリジナルを
またスクリーンで見たいな。(松永良平


試聴はこちらから。