Squeeze スクイーズ / East Side Story

Hi-Fi-Record2010-07-27

The Cool School 192 Black Coffee In Bed In Bed


タフな移動が多い買付の場合
モーテルを早く出るために
ウェイクアップ・コールは欠かせない。


「222号室ですけど
 明日朝5時半にモーニングコールをください」


そして翌朝
電話のベルが高らかに鳴る。


もっとも
心地良い眠りを覚ますのは
電話のベルだけとは限らない。


いたずらな子どもたちが
隣や上の部屋に泊まっていて
朝からばたばたとせわしなく駆け回る足音で
目が覚めるときもあるし、
隣室のシャワーやテレビの音で起こされるなんてこともザラだ。


すこし気が利いているのは
音楽が聴こえてくるとき。


部屋に備え付けのラジオからの音楽だろう。
不意に流れ出したメロディに目が覚める。
たぶん
買付中で耳にぐっとくるサウンドに敏感になっているからだ。


いつぞや
まだベッドでまどろんでいるときに
大きなヴォリュームでいきなり聴こえてきたのは
スクイーズの名曲「ブラック・コーヒー・イン・ベッド」。


開きっぱなしのノートブックに
きみへの気持ちを伝えようとしていたのに
朝、目が覚めたらそこにあったのは
コーヒーのしみと煙草の灰。
彼女はもう
ぼくのもとから去っていった。
そしてぼくは
ベッドでひとりブラックコーヒーを飲むのだ。


なんて内容の歌。


たしかにこれは
目覚めの歌ではあるけれど
朝っぱらからこんな歌で起こしてくれるなんて
趣味悪いけど
趣味いいじゃないか!


翌日
思わずスクイーズのアルバムを探してしまった。(この項おわり)


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「ブラック・コーヒー・イン・ベッド」を収録した
アルバム「甘い誘惑」は今切らしているので
その一枚前のアルバムを。


今度はだれか
このアルバムの一曲目
「イン・クイッテッセンス」で
景気良く起こしてくれないか。(松永良平


試聴はこちらから。