Horst Jankowski ホルスト・ヤンコフスキー / Piano Affair

Hi-Fi-Record2010-09-18

 ウェーバーが作曲した「魔弾の射手 序曲」についての解説を聞いた。
 NHK-BSの番組「名曲探偵アマデウス」の最新回が取り上げていた。


 序曲の冒頭においてホルン4本によって演奏されるメロディが、ドイツの人が大好きな森の中の散歩をイメージさせるものと紹介された。ホルンという楽器の響きそのものに、既に高原の感じというか、ハイジの感じがあるので、なるほど、確かにそうだと思いながら聞き進むことになる。


 このホルンの音がドイツ人の胎内に深く眠るアイデンティティを目覚めさせるという。懐かしき故郷の感じを音に聞き取ることになるということだ。
 簡単に言えば、森の散歩=ホルンの音=ドイツ人のアイデンティティ、とこうなる。


 森の散歩で思い出すのが、ホルスト・ヤンコフスキーの「森を歩こう」だ。この曲の原題の意味するところは、「黒い森の旅行」と言った意味で、「黒い森」とは、スイスとの国境地帯近くに南北160キロほどの範囲で広がる南ドイツの森林地帯のことだ。温泉で知られるバーデン・バーデンは、黒い森一帯の北端に位置する観光地である。



 ドイツの森は、クラシックでもポピュラー音楽においても取り上げられて、テーマになる。
 ホルスト・ヤンコフスキーが音楽に扱った黒い森は、さわやかで活動的な雰囲気に彩られる。休暇を過ごす楽しげな気分が盛り込まれているのかもしれない。


 「森を歩こう」を収録したアルバムは在庫していないので、こちらをご紹介。
 こんな出で立ちの学者風の風貌のわりに、出てくる音楽の響きがまるでヒップ。
 その感じをこのチキチキバンバンで味わっていただければと。(大江田信)



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