Caterina Valente カテリーナ・ヴァレンテ / Golden Favorites

Hi-Fi-Record2010-09-25

 じわじわとラテンの音楽への興味が増している。


 ラテン音楽を世界に広がっていく際に、大いなる存在だったのだなと今更ながらわかってきたのが、キューバの作曲家、エルネスト・レクォーナだ。
 レクォーナにちなんで名づけられたレクォーナ・キューバン・ボーイズが残した痕跡の深さ、広がりにも思いが至るようになった。彼らは1932年にキューバからヨーロッパに渡り各地を演奏旅行し、大変な人気を博した。ラテン音楽が広くヨーロッパで親しまれるきっかけ、ひいては西欧社会に広がる礎をつくった。


 エルネスト・レクォーナの代表曲のひとつ。1928年に自身のスペイン紀行の印象をまとめた「アンダルシア組曲」の第二曲、「アンダルシア」を原曲とする「そよ風と私」。1940年にアル・スティルマンによって英語詞が付けられて「The Breeze And I=そよ風と私」となった。
 この当時はジミー・ドーシー・オーケストラの演奏がヒット、1955年にはカテリーナ・ヴァレンテが歌唱するレコードがヒットしている。
 僕らが知っているのは、英語圏において翻案されたキューバ音楽の残像なのかもしれない。しかし、それにしてもキューバ音楽がもてはやされる際の熱気や、民間には飛行機も無い時代、音楽が世界を巡るスピードの速さには、今更ながらに驚かされる。(大江田信)


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