Freddie Flute And His Band / Stars And Stripes Forever

Hi-Fi-Record2010-10-05

チップマンクスのフォロワー(良い言い方)というか
二匹目、三匹目のどじょうを狙う輩が
雨後のタケノコのごとく出現したのは
1950年から60年頃にかけての話。


ナッティ・スクワーレルズとか
グラスホッパーズとか
ハッピー・チップマンクスとか
ウッディ&ウッドチャックスとか
イギリスのピンキー&パーキーとか
いろいろ聴いてきたつもりでいても
まだ知らないのが出てくる。


シングルだけの連中となると
もうカウントも出来ないくらいだ。


このフレディ・フルートだって知りませんでしたよ。


いったいどうして
これほどまでに便乗が多かったのか。


ひとつは
テープの回転を使用したアイデアが盗みやすいものだったこと。


もうひとつ意外に大きい理由が
61年にテレビアニメ「アルヴィン・ショウ」が始まるまで
チップマンクスのキャラクター造形が
まだ定まっていなかったことだった。


ご存じの方も多いと思うが
チップマンクスの初期のアルバムに映るシマリスたちは
リアルでちょっとこわい。


そんな感じだから
子どもたちに姿かたちが親しまれてしまわないうちに
どんどん真似して出そうぜ
シングルだったらなおさらガキはわからねえよと
便乗リリースは続いたのだ。


しかし、
歴史は真実を物語る。


今現在
チップマンクスのシングル盤は
たいてい子どもたちにさんざん聴かれて
すり減ってキズだらけの状態で見つかるものが大半だが、
ニセモノたちのシングルは
ほとんどの場合きれいなままだ。


子どもにだって、
いや
子どもだからこそ
本物はわかるのよ。


4、5回まわってニャンと鳴く その20 松永良平