Mark James マーク・ジェイムス / Suspicious Minds

Hi-Fi-Record2010-10-18

「サスピシャス・マインド」と言えば
エルヴィス・プレスリー、1969年の全米ナンバーワン・ヒット。


その曲をマーク・ジェイムスが書いたことは
おぼろげに知っていたが、
オリジナル・ヴァージョンとして
本人が歌ったものがその前年にリリースされていたことは
うかつにも知らなかった(今日知った)。


そして
マーク・ジェイムスの本名が
フランシス・ザンボンだという事実も。


気になったので
JASRACのサイトで調べてみたが
日本でも作曲者の登録は
フランシス・ロドニー・ザンボンとなっていた。


シンガーとしてデビューするにあたり
本名ではダメだということで
シンプルな“マーク・ジェイムス”を選んだのだという。
その由来は
ハイスクール時代に組んでいたバンドで名乗っていた
遊び半分の芸名からなのだそうだ。


うーん。
マーク・ジェイムスに思いがけない歴史あり。
不勉強を恥じるばかりです。


ちなみに
今回入荷したそのオリジナル・シングル、
ラベルの書き込みを注目してほしい。


おそらくこれを配布されたラジオ局で書かれたものだが
この無名のシンガーの曲を
ラジオ局の人間はちゃんと「GOOD」と評価している。


そして
その日付は68年11月27日だ。


プロデューサーのチップス・モーマンが
この曲をアレンジごとプレスリーに提供して大ヒットになるのは
翌年の半ばの話。


この曲が化けるぞという予兆を
どこの州のどのラジオ局か知らないが
だれかが嗅ぎ取っていたのだ。


だれも知らないかもしれないけど
おれは気がついていたんだぜ。
そんな自慢気なつぶやきが
シングルのラベルから聞こえてきた気がした。


4、5回まわってニャンと鳴く その28 松永良平