Marty Cooper Clan / New Sounds...Old Goodies
レイ・コニフ・シンガーズのあまりのヒットぶりに、よく似た企画をRCAスタッフから依頼されたボブ・トンプソンが、「mmm, Nice!」など一連の作品を作ったというストーリーについては、一度このブログで書いた。ボブの作品は、あまりヒットしなかった。その理由を、ボブ自身は、いささかジャズにより過ぎたからかもしれないと回想していたように思う。常々やってみたいと思っていたトライアルを盛り込んでしまったと、語っていたはずだ。
で、このアルバム。
これもまたレイ・コニフ対抗企画なのかもしれないと思いながら聴いているうちに、面白さにハマってしまった。
アレンジの大胆さ、底抜けの明るさ、鮮やかな広がりを、存分に楽しんだ。
なにしろレパートリーは、すべて同時期、あるいは少し前のインストルメンタル・ヒットである。それをコーラスに置き換える。それだけでも相当にユニークだ。
クレジットを見ると、プロデュースとコーラス指揮はマーティ・クーパー。オーケストラのアレンジをしたのは、ペリー・ポトキン・ジュニアとある。この時期のRCAの本線の作品なのだろう、コメントはデュアン・エディが書いている。
よくもまあ、こんなアイデアを考えつくものだと思い、感心しながら何度も笑ってしまった。
楽器の音色を、コーラスが真似ている。サント&ジョニーの「スリープ・ウォーク」のスチールの音色を女性コーラスが真似るあたり、これまたやっぱり笑っちゃいます。(大江田信)
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