Terry Cashman テリー・キャッシュマン / Talkin’ Baseball
テレビでサンフランシスコ・ジャイアンツとテキサス・レンジャーズの試合を見ていた。
7回表が終わったところで、「Take Me Out to the Ball Game」が歌われる。スタンドの観客が立ち上がり、体を動かし背伸びをする動作がテレビに映し出される。
7回の表と裏の間にこの歌を歌いながら体を伸ばすことを、セブンス・イニング・ストレッチという。試合が14回まで長引いた時には、14回の表の攻撃が終わったところでも歌われるのだそうだ。
そういえばと思い出して、このところ読んでいる「あたらしい教科書"音楽"」のフランク・シナトラの項をひっくり返すと、1949年制作のアメリカ映画「私を映画に連れてって」で主人公のシャイな野球選手をシナトラが演じ、そして同名の曲を歌ったと記されていた。この歌が国民的なスタンダードになる一端を、シナトラが担っていたということだ。
野球たけなわのシーズンに聞くのに、相応しいアルバム。テリー・キャッシュマンの「Talkin' Baseball」。
テリーと言えば、スパンキー&アワ・ギャングの大ヒット、「Sunday Will Never Be the Same」をジーン・ピスティリと共作した作家でもある。
これは野球への愛情が詰まったアルバムだ。
1950年代、テリー・キャッシュマンはバンドをやりながら、デトロイト・タイガース傘下のマイナー・リーグで野球をやっていたという。
「Talkin' Baseball」に収録の「Willie Mickeey & The Duke」の冒頭には、ちょっとした可愛らしい仕掛けがしてある。(大江田信)
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