The Clark Sisters クラーク・シスターズ / Swing Again
クラーク・シスターズは、アンとジーンとペギーとマリーの4人姉妹。ドーシー兄弟の長男でトロンボーン奏者のトミー・ドーシー率いるオーケストラの専属コーラスとして1040年代に数年に渡って活動を共にした。
トミー・ドーシーのオーケストラと言えばコーラスにパイド・パイパーズ、そしてボーカルにフランク・シナトラを配したことでも知られる30年代中期から40年代のスイング期を代表するジャズ〜ダンス・バンドだ。残念ながらシスターズが、いつからトミー・ドーシーの専属となったのかは分からない。ただし1942年9月にフランク・シナトラがドミー・ドーシー・オーケストラを離れたこと、そし1944年にトミー・ドーシー・オーケストラとクラーク・シスターズ(このときはセンチメンタリスツと名乗っていた)による「明るい表通りで」のレコードがミリオン・セラーの大ヒットとなったこと、そしてその後の45年にシスターズの一人がオーケストラのメンバーと結婚したことを期に専属コーラスの立場を離れたこと、以上が分かっているので、40年代半ばに至る数年間が専属期間と考えていいだろうと思う。
1944年の「明るい表通りで」のレコードがヒットした頃、前述のように彼女達にはセンチメンタリスツの名前が与えられていた。オーケストラ主宰者のトミー・ドーシーは"ザット・センチメンタル・ジェントルマン"と言われるほどのハンサムで知的な容貌の持ち主で、バンドのテーマ音楽も「センチになって」だった。その彼が、専属の女性コーラスに与えた名前がセンチメンタリスツだったというから、そうなってくると彼女達の名前の由来もわかるというものだ。
同時にクラーク・シスターズを名乗る頃には、トミー・ドーシーの庇護のもとから離れていたということになるのだろう。
クラーク・シスターズは1948年に再結成。この後から彼女たちのレコーディング履歴が始まり、60年代の初頭にかけてコーラル、ドットから、主としてスイング期の音楽の楽しみを伝える複数のアルバムを発表した。
これはそのうちの一枚。スイングの楽しさ満載のおきゃんなアルバムだ。(大江田信)
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