Frankie Miller フランキー・ミラー / Once In A Blue Moon

Hi-Fi-Record2010-11-02

 なんというか、このダラリンとした感じが好きだ。アルバムに映る顔も、音楽の方もどことなくそんな感じ。ハスキー・ヴォイスのシンガー・ソングライター。英国ブルー・アイド・ソウル御三家と称されることもあるらしい。このデビューアルバムの冒頭曲に、グッと胃の下のあたりを掴まれたのが37年前のこと。
 いちど好きになると、なかなか嫌いにならない質だから、未だに繰り返し聞いてはグッと来ている。



 「B級のロッド・スチュワートとも揶揄される一方で、(中略)あまたある英国スワンプ・アルバムの中でも最高峰と永く愛する人たちも」とハイファイのコメントにある。この「永く愛する人」とは実は自分のことだが、ハイファイのコメントではなかなか「ボクはフランキー・ミラーのこのアルバムを永く愛しています」とは書けない。
 お買い上げの際には、コメントカードを添えてお客様にお渡ししている、ということもある。つい、こんな風にして他人事のようにしてしまう。


 バックを務めたブリンズレー・シュワルツも好きだし、なんとも言えない英国人アメリカ音楽好きの同好の士のサロン風な雰囲気に、愛おしさを感じるのである。(大江田信)


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