The Mary Kaye Trio メアリー・ケイ・トリオ / Music On A Silver Pl
ラスベガスに行ったことがある。ギャンブルに行った訳ではない。レコードを探しに行ったのだが、実は少しギャンブルもやった。
ラスベガスの真ん中を走る通りを、ストリップと言う。そのストリップ沿いの大きなホテルの奥に進むと、一目でそれとわかる場所がある。
広々とした会場で、様々なギャンブルが繰り広げられている。飲み物を売り歩く女性たち、チップを交換する女性たちが、グルグルと歩き回っている。奇妙な高揚と熱気に包まれた場所。
ほんのちょっとだけ、気分を味わった。といっても誰でも手が出せるスロット・マシンを少し。運のいいことに負けなかった。それこそビギナーズ・ラックだ。
ラスベガスのストリップに建設されたホテルとして二番目に古く1942年オープンしたラスト・フロンティア。かつて大富豪のハワード・ヒューズが所有していた1960年代には、ラスベガスを代表するホテルのひとつとして栄華を誇った。メアリー・ケイ・トリオは、1950年代から60年代にかけて、このラスト・フロンティアのナイト・ショウの常連アーチストだった。
ラス・べガスのホテル・ショウの雛形を作ったと言われているメアリー・ケイ・トリオ。ネオンがきらめき喧噪に彩られた不夜城の街の気分を伝えるアルバムだ。（大江田信）
