Ronnie Aldrich And His Two Pianos / Same

　ロニー・アルドリッチの本名ロナルド・フランク・アルドリッチ。1916年2月15日にイギリスはケント州、エリスに生まれている。1932年に16歳でバンド・ミュージシャンの生活を始めて、1964年までというから、32年にわたってホテルやクラブで演奏した。

　ちょっと驚くのは、レコードの吹き込みを始めたのが、1961年、45歳の時と相当に歳を取ってから。他の同様のアーチストに比べて遅すぎるような気もするのだが、いくつかソロ・ピアノ作品を経て、”トゥー・ピアノズ”作品がヒットするのが翌1962年と、幸運だった。

　彼のピアノは、くっきりとした音色をもってロマンチックにメロディを演奏する点に特徴がある。英米のヒット曲をいち早くとりあげ、見事なまでに自身の美意識に引き寄せて演奏した。

　このアルバムは、1962年に発表された”トゥー・ピアノズ”シリーズ二作目。
　それと知らずに耳にすると、ピアノが左右に動くように聞こえる。60年代初頭のステレオ普及期、当時のリスナーの耳には、おもいがけず楽しいステレオ・デモンストレーション・レコードと聞こえたのでなかいかとも思う。（大江田信）

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