Teresa /Anita Kerr Presents Teresa

Hi-Fi-Record2010-11-18

 テレサこと、テレサ・ベネットについては、こちらのブログにおいて、アルバム・プロデューサーのアニタ・カーから聴いて知り得た情報を書いた。ここに記したささやかな事柄が、我々が彼女について知り得るほとんどと言ってもいいかもしれない。
 テレサのアルバムを作ってほどなくアニタ・カーはスイスに移住し、その後にふたりの間に交流は途絶えたということだ。



 テレサについて聴いたほかにも、いくつかインタビューをしたお礼に、アニタ・カーが持っていないと伝えて来た過去のレコードの何枚かをスイスに送った。50年代のゴスペル・シングルや、イギリスRCAのみで発売されたりしたライヴ・アルバムと、ちょっと手に入れにくい類いのものだ。かつてはレコード会社から、出来上がったレコードを寄贈されるなどといったことは無かったという。
 するとこんどはそのお礼として、スワロフスキーの可愛らしい置物が送られて来た。



 このテレサのアルバムでは、トミー・テデスコに対して特別の謝意がクレジットされている。トミーは、エルビス・プレスリーフランク・ザッパビーチ・ボーイズらとレコーディング・セッションの経験を持つロスのギター・プレイヤーだ。
 テレサは、シンガー・ソングライターだった。テレサアニタ・カーに歌って欲しいとして送った素朴なテープが、本作品の誕生のきっかけになった。
 テレサが書いた作品を、こうしてオーケストレーションするに際して、様々な場面でトミーが力を発揮したのかもしれない。シンガー・ソングライターの多くは、ギターを友として作品を作るものだしと思いつつ、そういえばトミー・テデスコの貢献について聞くのを忘れていたことに、あらためて気付いた。(大江田信)



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