Tony And Siegrid トニー＆ジーグリッド / Up Here

トニー・ヴィスコンティと言えば
T・レックスをプロデュースして
大成功させたというイメージが強いから
てっきりイギリス人だと思っているひとが結構多いかもしれない。

ところが
彼はニューヨーク州ブルックリン生まれの
れっきとしたアメリカ人。

ジョージー・フェイムのアルバム制作に関わったことがきっかけで
イギリスを拠点に仕事をするようになり
やがてティラノザウルス・レックスとしてデビューした
マーク・ボランの信頼を得た。

その後の輝かしい履歴（奥様がお美しいメアリー・ホプキンであることも含め）は
説明するまでもないかもしれない。

だが、
渡英以前の
あまり輝かしくないキャリアについては
ほとんど語られる機会がない。

最初の夫人であったジーグリッド・ヴィスコンティと
こんなデュオを組んでいたことは
ぼくも知らなかった。

ウィキペディアには
ニューヨーク周辺の
ヒップな大学生たちにはそこそこ受けていたという記述がある。

シングルは少なくとも2枚あるらしい。

どの購買層を狙ったのか
このシングルはアラビアン・ポップ。
すごい名曲だとは言わないが
他とは違うことをしたいと思う人間だけに作れる
不思議な魅力のある曲であることは間違いないね。

4、5回まわってニャンと鳴く　その37　松永良平