Jeannie Hoffman ジーニー・ホフマン / The Folk-Type Swinger
誰もがよく知る歌を、ジャズでひとひねり。素材はフォーク・ソングで、アレンジがジャズ。ヴォーカルといいアレンジといいずば抜けてヒップな仕上がりだ。
ジャズの感覚でフォークを遊んだアルバムと言ってもいいかもしれない。タイトルが「Folk Singer」では無くて、「Folk-Type Swinger」ともじっているあたりからも、その意図が読み取れる。
ポピュラー・シンガーの歌うフォークに興味を持ち始めたと、このブログで書いたことがある。フォークの何たるかを生きるフォーク・シンガーではなくて、素材としてフォークを扱うことに興味を持ち始めたとも書いた。
そんなことを考えるきっかけになったのが、このアルバムだ。
誰もがよく知るフォーク・ソング、それもホームソングに近いもの、あるいは幼少の頃に耳にして育った歌が選ばれていることが、たぶんこのアルバムのミソなのだ。
メロディのトーレスや、歌詞を共に口ずさむことが出来るから、かえってアレンジのユニークな遊び方が際立って見えてくる。
フォークの持つ自由度の大きさが生み出した作品なのだと思う。(大江田信)