The Critters / Don’t Let The Rain Fall Down On Me

Hi-Fi-Record2010-12-13

輸入盤のLPを買い始めた若いころ、
カット盤というものの存在に気付いた。


LPジャケットの端を
文字通りチョキンとカットしてあったり
キリのようなもので穴を空けてあったり。


当時は理由はよくわからずにいたが
そういうふうにジャケットに加工がされているだけで
中身は変わらないのに
値段は安かった。
これはいいなと
重宝させてもらった。


のちに
アメリカのレコード会社や流通業者が
店頭で売れ残った商品を
値下げして処分するために
そうした加工をほどこして再販売しているものなのだと知った。


ものによっては
カット盤のほうが
カットしてないものよりも多いアルバムが結構あるということも。


つまり
売れなかったってことね。


シングル盤にも
カット盤が存在するということを知ったのは
もっとあとの話。


それこそアメリカに買付に行くようになってからかも。


70年代の日本の輸入盤業者さんたちは
LPはカット盤をよろこんで仕入れたそうだけど
シングル盤は売り物になるとは
あまり思わなかったのだろう。


今見ると
カット盤のシングルには
売れなかったが
珠玉の名曲だと思えるものがすくなくない。


このクリッターズの曲もそう。
ラベルに小さな穴が空いている。


シングル・カットならぬ
カット・シングルの話でした。


4、5回まわってニャンと鳴く その42 松永良平