The Roger Nichols Trio / St. Bernie The Sno-Dog
このシングルを
ぼくがハイファイで働くようになってから
仕入れることが出来たのは
たしか二度目だと思う。
その前は
もうずいぶん昔。
そのとき
かなりスタッフの気分がホットになったのを
覚えている。
今でこそ
このいたいけでラブリーなクリスマス・ソングは
CDでも聴けるようになったけれど
21世紀の初めには
まだまだ幻の一曲だった。
あのロジャー・ニコルズが
初めて出したシングルって
どんな曲なんだろうと
想像、いや妄想をだれもがたくましくしていた。
その気分を
今日
甘酸っぱく思い返してしまった。
幻のベールが解けても
この曲に味気ない思いがしないのは
たぶん
彼らにとって
他にはかえがたいデビューという体験の初々しさが
こもっているからかもしれない。
4、5回まわってニャンと鳴く その44 松永良平