Bobby Goldsboro ボビー・ゴールズボロ / Summer (The First Time)

今年の買付を振り返るブログ・シリーズ！

春の買付が終わり、
次の買付は初夏。

ひさしぶりに
藤瀬と一緒に出かけた。

道中、
モーテルでひとつ事件があった。

夜に外出する用事があって
しばらくして
部屋に戻ってきた。

カードキーを差し込んで開けようとしたのだが、
どうしたことかドアが開かない。
カードの磁気がバカになっちゃったのか。
まあよくあることだ。

フロントに戻って
カードをリセットしてもらう。
もう一度部屋の前に。

あれ？
やっぱりダメだ。

しかたないので
部屋にいるはずの藤瀬にドアを開けてもらおうと
ドンドンとドアをノックした。

…………。
無反応。

あれ？
おかしいな？
こんな時間にあいつどこに行ったんだ？
モーテルの中でもうろうろしているのか？

もう一度フロントに戻り
事情を話すと
どうやら鍵本体が故障しているのだろうということで
技師さんを呼んでくれることになった。

この技師さん
メキシコ人らしいのだが
かなりおおらかな感じで
「オーケー、オーケー」を連発しながらガチャガチャやっていたら
なんとドアノブ本体がポロンと外れて落っこちてしまった。

うわ！
このドア大丈夫か？

「オーケー、オーケー」
彼は何でもないよというようなそぶりでノブを戻すと
またガチャガチャガチャっとやる。

そのうち手応えがあったらしく、
「ほらもう開くよ」と
ドアを勢いよく開けた。

よかったよ〜と
ふたりが部屋に飛び込むと
なんと藤瀬はベッドの上にいた。

うつぶせで
パンツいっちょう（上はTシャツ）で
ぐうぐうと寝ていたのだ！

あんなにノックしたのに！

いやそんなぼくよりおどろいた顔をしていたのは
メキシコ人の技師さんだ。

「ごめんよ、セニョール、おたのしみを邪魔しちゃったね……」
とは言わなかったけど
あの顔、
あきらかにぼくと藤瀬がそういう仲だと思った感じだった。

いやいや、おじさん！
よく見てよ！
ベッド、ツインでしょ？
違うんだってば！

とまあ
そんな感じのおもろい事件もあった
初夏の買付でした。

（次の買付につづく）

今年はこんな買付をした　初夏　松永良平