Al Hirt アル・ハート / The Horn Meets ”The Hornet”

わたくしごとで恐縮ですが
うちはまだ地デジじゃありません。

そのため
異なる縦横比を調整するために
画面の上下に黒いバーが置かれ、
そこに
「はよお買い替えんとくらわすぞ、おら！」という意味のメッセージが
ごくごく穏やかな言葉で流れてゆく。

さてどうしようかな。

まあ
そんなことを言いながら
横長に区切られた画面を
「シネスコみたいで良いんじゃない？」と
まだまだ楽しんで見ている……というのはウソで
かなりの強がりも入ってはいるんだけどさ！

こないだその非・地デジ画面を見ていたら
今度公開されるアクション映画の予告CMが流れた。

それが
「グリーン・ホーネット」のリメイク版だったのだ。

と言っても
60年代に探偵アクション・ドラマとして
おおいに人気を博したオリジナルについては
「熊ん蜂の飛行」をアレンジしたけたたましいテーマ曲と
主人公の相棒として
若きブルース・リーが出ていたことぐらいしか知らない。

あと
思い出したのは
陽気なトランペットおじさんアル・ハートが
「グリーン・ホーネット」の主人公と
ジャケでツー・ショットをかましているこのアルバムのこと。

このレコード、
アメリカでは
お店によっては
ものすごく高い値段で売られていることもある。

最近は世代意識の変化もあって落着きつつあるが、
60年代のある種のテレビ・サントラのレコードは
昔からアメリカのコレクター市場の主要アイテムなのだ。

リメイク版の「グリーン・ホーネット」では
あのテーマ曲の片鱗ぐらいは使われているのかな？

そんなことを思いつつ
ぼくは大きな声で言った。

「ごちそうさま！」

わが家は
食事中なのだった。（松永良平）