Buddy Rich バディ・リッチ / Stick It

Hi-Fi-Record2011-02-11

ポール・マッカートニーの、
というより
ポール&リンダ・マッカートニーの名作「ラム」からのシングルが
「アンクル・アルバート/アドミラル・ハルセー」で、
しかもそれがヒットしたという時代、
それってすごいことだなあと
あらためて思ったりする。


いわゆる3分ポップスとはまるで違う
二部構成の組曲だし、
起承転結もあんまりちゃんとしてないし、
曲のテーマだってラブソングとは言えないし。


だけど
この曲は素晴らしい。
とりわけ
前半にあたる「アンクル・アルバート」は
ポールにおける
無意識のジャズ・センスがにじみ出ていて
本当に素晴らしい。


だけど
まさかバディ・リッチがカヴァーしているとはね。


限りなくボタンの掛け違いに近い
間違った偶然が作用したカヴァーとしか思えないけど、
当時としてみれば
時代の必然でもあって。


何より
めちゃくちゃかっこいいし。


シンガーとしても
秀でた才能の持ち主であるバディ・リッチ
このアルバムで歌っている「ビーイン・グリーン」が
「セサミ・ストリート」からの曲だという事実も
ひそかにお気に入り。


時代の必然と偶然のはざまに産み落とされた
そういう曲を見つけると
今日もあとすこし仕事をがんばれる。(松永良平