Sing The Top-40 Hits

Hi-Fi-Record2011-02-12

 「夢のカリフォルニア」は、冬の歌だ。
 冒頭では、木の葉が茶色だという歌詞で始まる。冬になると、木の枝から木の葉が落ちるとされている日本の感覚とは、ちょっと違う。アメリ東海岸では冬の木の葉は、茶色ということになっているのだろうか。
 続いて空が灰色と歌われる。そして流れてくる 「Such A Winder's Day」という言葉。これが、いやに耳に残る。


 散歩中に教会に立ち寄る主人公だが、それはマジメな宗教心というよりも、あまりに外が寒かったから。
 逃げ込むように礼拝室に入ったものだから、彼は膝を折って祈るのではなくて、あくまでも祈るふりをしている。


 歌詞には直接書かれてはいないけれども、こうして一人で街を散歩をしている彼の気持ちの底には、あまり上手くいっていない彼女との生活があるようにも受けとれる。
 主人公は、カリフォルニアを夢見ている。
 沈んだ気持ちの冬の日の自分と、一年中、太陽の日射しに恵まれるカリフォルニアが対比される。
 60年代の新しき生活を提示したカリフォルニア。そして古くから夢の地であったカリフォルニア。


 この数日、雪に見舞われている「Such A Winder's Day」な東京だ。こんな季節にピッタリ来る歌と思う。
 それにしても歌詞を見るたびに、ちょっと憂鬱な気分になる。
 全米4位のヒットとと支持した聴衆の気分が、今ひとつよく読み取れない。どんな気持ちでカラオケを歌うのだろう。(大江田信)



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