V.A. / Devotees

ライノ・レコードが
リイシュー・レーベルの鑑になる以前、
ウェストLAの物好きなレコード・ショップが設立した
インディペンデント・レーベルだった時代。

数々のしょうもない作品が残されたが、
それらの多くは
単なる楽屋オチに終わらない生命力を
今も持っている。

このアルバムは
時代の寵児として
一気に人気がブレイクしたディーヴォの曲を
FM局の主宰で
素人によるカヴァーを集めてアルバム化したもの。

坂本龍一が
80年代にラジオの「サウンド・ストリート」でやっていた
リスナーからデモテープの応募を受付して発表する企画に
近いと言えば近いが
あれほどハッと驚くような瞬間はすくない。

だが、
結果としての出来不出来を問うのではなく
発想の源泉をたどってみて
かっこいいものもかっこわるいものも
平等に見ているようなところが
この企画の良さなのではないか。

ディーヴォの成功も
こうしたアマチュアリズムの暴発から生まれたもので
だれにでも可能性はあるのだと
彼らは提示しているのかもしれない。

それに
ディーヴォ本人たちの賛同がなければ
こういうリリースはありえなかったはずだ。

プッシュホンでカヴァーした「ジョッコ・ホモ」を
今もぼくはときどき聴く。（松永良平）

ハイファイtwitter、
柄にもなく結構つぶやき増えてますぜ。