John Sebastian ジョン・セバスチャン / John B. Sebastian

Hi-Fi-Record2011-03-18

大江田さんと買付に行っているときによくある話。


レコード屋に入ったときに
古いフォークやカントリーブルースが流れている。
店番は若い女の子だったりするのに。


そういうとき
大江田さんは
まるで自分のためにBGMをかけてくれたんだよというか
自分が恋の告白を受けたと言わんばかりの
うれしそうな顔をする。


こないだもそんなことがあった。
「あ、これはカーター・ファミリーだよ」
まるで自分の娘か彼女を紹介するみたいに
大江田さんはぼくに言うのだ。
つきあってられません(苦笑)。


そんなことを思い出したのは
都内大停電のおそれがあって
あわててお店を早じまいした昨日、
その足で出向いた渋谷クラブクアトロでの
チャリティ・イベントでのこと。


バンバンバザール主催の二日間にわたる入場無料(ドリンク代のみ)のイベント
勝手にEXNE〜Music For TOHOKU」は
今回の震災被害に対して何か出来ないかと思い案じた彼らが
急遽知り合いに呼びかけて敢行した
アンプラグドなライヴ・イベントだ。


よりによって都内大停電の情報が飛び交うなか
それでもイベントは行われていた。
めげずに勇敢に。


そのなかで登場した
中村まりさんが思いを込めて
カーター・ファミリーの「キープ・オン・ザ・サニーサイド」を
ギターで弾き語ったのが素晴らしかったのだ。


大江田さんだったら
マジでその場で愛を告白してしまったかもしれない。


堪能な英語でうたう彼女は
最近音楽の盛んな街として知られるアメリカの西海岸都市に
留学経験があったはずだ。


それって実は
カーター・ファミリーをBGMに流していたお店がある街なのだ。


ちなみにイベントは
今日も出演者の顔ぶれを変えて
夜7時から行なわれている。


今からは足を運べないよというかたには
Ustreamも行なわれているので是非そちらを。
ステージがふたつあるので、こちらこちらから。


話のスジからしたらカーター・ファミリーのレコードを紹介すべきだが、
ジョン・セバスチャンにした。


階段をのぼってクアトロの入り口まで着いたとき
BGMのかわりに
ポータブル・プレイヤーでこのレコードが流されていた。
それがとても
勇気づけられる響きだったのだ。(松永良平