Sly And The Family Stone / Fresh

Hi-Fi-Record2011-03-20

おとといあたりから
渋谷の街の雰囲気は徐々に落ち着いてきた。
まだ夜は節電の効果で結構くらいし
いろんな懸念もすくなからずあるのだが
肩をすくめて歩くより
心持ち胸を張って歩こうとしているような気分を感じる。


家ではもっぱらラジオを聴いているけれど、
ラジオから流れる音楽にも
変化があらわれはじめた。


NHKのAMなんて
歌詞のある音楽はいっさい流していなかったのに
前向きなメッセージがあるようなものなら
そろそろかけたりしているみたいだ。


AFN(昔のFEN)にも変化が見えた。
つい数日前までは
在日米国人に向けているのだろう
緊迫感をともなった英語のアナウンスがずっと続いていたのだが
今朝聴いてみたら
以前のように大味なアメリカンロックが流れていた。


なんとなく
それが一番ほっとしたかも。


民放のラジオでは
震災直後に
ビリー・ジョエルの「ピアノ・マン」や
エルトン・ジョンの「タイニー・ダンサー」なんかが流れて
とても感動的だったという話を聞いた。


洋楽黄金時代の超名曲という
ノスタルジア込みの感動も多少あるかもしれないけど、
知らないひとも巻き込んで
エモーショナルなものを高ぶらせているのだとしたら
そういう曲には
とってつけたような甘さや夢だけをまぶしたバラードとは違う
ひとのいたみやくるしみにも触れる力があるんだろうと思う。


ぼくなら
そういう機会があったら何を選曲するだろうか。


そしたら
不思議なことに
すぐにこの曲のことが浮かび、
もうそれ意外に思い浮かばなくなってしまった。


スライ&ザ・ファミリー・ストーンのアルバム「フレッシュ」より、
「ケ・セラ・セラ」。(松永良平