Spiral Starecase / More Today Than Yesterday

Hi-Fi-Record2011-04-05

毎日通勤のために電車に乗っていると
気がつくことがある。


車内吊り広告
減ったなあ。


震災以降
時節柄という言葉が幅を利かすが
そういう意味での自粛なのだろうか。


はて?
こないだまであそこには
何の広告が貼ってあったっけ?


そこに普通にあったはずのものを
いくつか思い出そうと努力してみたが
無理だった。


その特別に意識しようもない在り方が
日常というものの
はかなさであり
かけがえのなさだと
思い知る瞬間でもある。


それと
昼間に電車に乗ると
節電のためだろうが
車内の電灯が消えていることが多い。


晴れた日
太陽が外から差し込んでいる分には気にならないが
大きな道路の下や木立の下を通るとき
車内が不意にくらくなり
乗客の意識がざわっと敏感になるのがわかる。


うしなった日常
そしてあたらしくやって来た日常。


ぼくたちは
まだその日常とうまくつきあう方法を
からだに染み込ませようとしているところだ。


いろんな情報に鈍感にならずに
今とつきあいたい。


願わくば
昨日よりもっと今日はいい日になるように。(松永良平