Audy Kimura アウディ・キムラ / In L.A.
NHKテレビの番組「俳句王国」の4月4日放送分を見た。
俳句のテレビ番組を見ることすら初めてなので、いろいろ新鮮なことだらけだったのだが、なかでも主宰の金子兜太さんのコメントが面白くて、大笑いした。
金子さんの俳句の選評が面白い。「だいたい素人がこういう俳句をいいと言うんだ」などという一言を、そこそこのキャリアを持つアマチュア投句者たちに投げかけたり、アナウンサーをドギマギさせたりと、とても愉快なお爺さんなのだが、これはダメな俳句だとする時の理由が、はっきりしている。「これは説明だ。説明しているだけだ。説明では感動を描けない。説明なんかからは感動は生まれない」という。90歳を過ぎた老人の言葉とは思えない。若々しい。
確かに説明に堕するというのは、犯しがちな過ちだ。
人に感動を伝えるに際して、その言葉それ自身が感動をはらみ、そして呼び起こすカタチに配されるべきだというのは、正しい。しかし難題だ。
難題に間違いないが、忘れてはいけないことだとも思う。
ロックの感動を伝える文章が、学術論文だったら、ちっとも伝わらないだろう。
ジャズの感動を伝えるコトバが、時事報道の一節のようだったら、面白くもなんともない。
と、こんなことを考え始めると、ささやかなこんなブログも書けなくなるので、これでストップ。
Audyの珍しいCD。
彼がいっぱしのスポーツ選手だったというプロフィールが、僕は好きだ。詳細を思い出せないのだが、オリンピックの水泳選手候補だったと、どこかで読んだことがある気がする。
こんなに優しい草食系のヴォーカルを歌うのが、バリバリの体育会系だというちょっとしたミスマッチがいい。なんだかAudyという人を、信用出来る気がしてくるのである。(大江田信)
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