Homer And Jethro/Playing It Straight
"昨日の続き"的なレコード。
ナッシュヴィルを拠点に漫談プラス音楽というお笑い演芸を、長きにわたって続けてきた二人組だ。グランドオール・オープリーの幕間でちょっとしたコントを演じてきた。日本で言えば、クレイジーキャッツというか、あきれたぼういず、あるいは川田義雄とミルク・ブラザースというか。その種の芸能チームだ。
その彼らがマジにジャズを演奏した。
リズム隊のバックを従えつつ、ホーマー・ヘインズのギターとジェスロ・バーンズのマンドリンが快走する。
ちょっとしたジョークを放ち、笑いを取りながらステージを去っていく二人の芸のままのように、音楽が走る。この疾走感が、彼らの芸風のように思える。
ボクのベスト・トラックは、「Tico Tico」である。
ジャズではない。ジャズ風に味付けされたラテンだ。
ブラジル生まれの「Tico Tico」がナッシュヴィルにたどり着き、快走する。
このストリー、そして疾走感が、とても楽しい。(大江田信)