Stephen Sinclair / Sad And Lonely Saturday Night

Hi-Fi-Record2011-04-29

 毎年、この時期になると関西方面に出かける。
 考えてみれば40年近く前には数年間、そしまたここ数年にわたって、大阪で開かれる春一番というライヴ・フェスティヴァルの出演に出向いている。日曜音楽家の僕にとっては、年に一度の栄えある舞台だ。武満徹さんを追悼する音楽祭において小沢征爾さんと同じステージに立ったという相棒と、年に数回しかステージに立つことも無い僕によるデュオ。これでもファンの方がいてくださるので、ありがたき幸せ。今年も無事に演奏できますように。


 行きの時間、帰りの時間を使って、地元を散策する。神戸、大阪、京都とたびたび歩いた。金沢に立ち寄ったことある。
 そういえば、なにか美味しいものを食べたいなと思う。そんな時は、地元に暮らす知人に尋ねることにしている。ハイファイの店頭を通じて親しくなった方に伺うことも多い。
 どんなグルメガイドよりも、親しみが持てるし、頼りになる。そして実際にお店で味わった後の幸せな気持ちには、格別なものがある。教えてくれた方と、どこかしらつながった気持ちになるのだろう。


 かつてレコード会社において宣伝マンをしていた時に、マスコミとは親しき隣人を目指すべきものと教えられた。マスコミと共に口コミを作ることが、宣伝マンの仕事とも言われた。その頃はこうした教えを信じていたけれども、今になると果たしてそうかなと疑問を感じている。
 親しき知人に教えてもらう美味しいもの情報に勝るものは無いということを、地元の方達が集う飲食店の片隅で繰り返し感じてきた。


 ハイファイのサイトに書かれた言葉を親しき知人の物言いと思って頂けますように。そのためにも店頭に立つスタッフに声をかけていただき、親しみを感じて頂ければ大変にうれしく思う。お時間のあるゴールデン・ウィークに、ちょっと店頭にお立ち寄りいただくのはいかがでしょう?


 親しかったミュージシャンから教えてもらった一枚。
 そういうレコードって、忘れない。そして今でも好きだ。(大江田信)