O.S.T. / Boccaccio ’70

Hi-Fi-Record2011-05-29

「ボッカチオ'70」を見たのは
大学生のときだったから
かれこれもう20年以上経っている。


フェリーニ映画祭みたいな催しで
いくつかの未見だった作品と一緒に
ドキドキしながら
見たのだと記憶している。


当時
ぼくはとても
フェリーニにお熱だったのだ。


だからなのか
「ボッカチオ '70」では
フェロモン女優アニタ・エクバーグ
巨大な看板から抜け出して
カタブツの学者先生を狂わせる「アントニオ博士の誘惑」以外、
あまり覚えていない。


後年
サントラを聴いたとき
ソフィア・ローレンヴィットリオ・デ・シーカが撮った
「くじ引き」で流れる
ソフィア・ローレンの歌とトロヴァヨーリの音楽が
めちゃくちゃヒップで驚いたのだが、
実はそんなシーンがあったことすら
ほとんど印象に残ってないのだ。


「アントニオ博士の誘惑」で
「Bevete piu latte!」が流れる
子どもたちのお尻ふりふりのシーンは
しっかり覚えているのに(だから試聴に入れました)。


もう一回見てみようと思い、
ちょっとDVDを検索したら
ショックな記述を発見した。


なんと
DVDには
当時制作されていながら
「長くなりすぎる」という理由でカットされた
幻のエピソード(マリオ・モニチェッリ監督)が収録されているというじゃないの!


というか
VHSやLDの時代に
とっくに“完全版”は発売されていたのだ。


そうだったのかと
今さらあせる。


しかし
いざ買ってみたとして
結局また
「アントニオ博士の誘惑」だけ見て
満足してしまう可能性は大だけど。


歴史は(たぶん)繰り返すのである。(松永良平