Jimmy Allen ジミー・アレン / The Ticket

今日、
このレコードをアップしようと思い、
ジャケから内袋ごと引き出したら
見慣れないデザインだった。

あれ？
こんな青色の内袋付いてたっけ？

よく見ると
本来それは
全然違うアーティストのレコードに付いているべき内袋ではないか。

そのアーティストとは
イーグルスの
「ホテル・カリフォルニア」。

ああ、まただよ。
日本と違って
内袋に対してケアする精神があまりないアメリカでは
ジャケにハダカで入っているレコードも多く、
お店やディーラーによっては
商品として売りに出すときに
代わりの内袋を付ける場合が多い。

たいていは
白くて薄い紙で真ん中に円形の穴が空いた
いわゆるペーパースリーヴが使われるが、
無精なディーラーの場合、
他のレコードの内袋で代用したりするわけだ。

そして
そんなときに使われるのは
当時大ヒットして
中古盤があり余っている作品の内袋ということになる。

もはや売り物にならないくらいいっぱいあるから
こうして内袋を再利用するのだ。

もしも
内袋に人間みたいな心があったら
この屈辱に耐えられるだろうか。

しかも
当時はだれも見向きもしなかったようなレコードが
中古盤の世界では
彼（大ヒット盤の内袋）の何百倍もの値段がついていたりするのだ。

「おいおい、
　おれは世界で何千万枚売れたと思ってるの？
　レコードの世界で言えば王様だよ？
　そのおれさまをこんな
　だれも知らなかった中古のレコードの保護のために使おうって
　どういうこと？」

なんてぶつぶつ言ってたりしてたらおもしろいかも。（松永良平）